なお

すずめの戸締まりのなおのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

明るい未来が「決まっている」というセリフに共感できる場合は後味のよい映画です。
そのセリフに「まぁ…あなたはそうだよね」と共感出来ない場合はとても辛い、お薦め出来ない映画でした。

■音楽
野田洋次郎さんが特に何度も何度も何度も映像にあわせて作り直させられたという東京に蚯蚓が出るシーンは、臨場感があります。
それ以外でも音楽があった方が映像だけより迫力が出ましたし、音楽の重要性は分かります。ですが、常に印象的な曲が四六時中流れているので、運転中のシーンの環さんの「うるさい」に何故か共感してしまいました。
ジョーズは鮫が来る前は波の音だけです。ジュラシックパークは恐竜が来ても音楽はなりません。無音も大事にしてほしい気がしました。

■脚本
細かいところで違和感があり、最初は入り込めず。
・目が覚めて蝶が目の前で飛んでいるけどスルー
・革靴で水に入るシーンが靴と靴下脱がないの!?とビックリ
・明らかに怪しい石を抜く。
(触って倒れてしまったなら分かるが抜くという意思を持った動作が高校生でするのが少し違和感)
・痩せ細った猫に消化に悪そうな、食べにくそうな煮干しをあげる(ミルクとか、ソーセージとか、ハムとかでは…)

オマージュ?つっこみ?が多過ぎて入り込めず。気が散りやすい自分が悪いのかもです。
・蚯蚓→あーナマズ!
・みかんフェリー→あー、オレンジフェリー!
・常世の映像→ラッセン?
・ナマズ倒れる→「もののけ姫」のシシ神様倒れる?
・東京の地下で目覚める→「風の谷のナウシカ」?ナウシカと違って男の人は救えてないけど。
・ネックレス光る→「天空の城のラピュタ」?
・蚯蚓の上→乙事主様のたたり神になるシーンのようで祟られそう…。
・蚯蚓が東京を覆う
→なんか固そうでお菓子の麻花兒のよう?

■感想
パニック映画は海外版が好きです。
海外の映像であれば、身近に感じられず物語として見易いためです。
場所が日本で、しかも実際にあった映像がそのままで、ちょっと映像が生々しくて辛い。
そして、常世にまで会いに行って誰もいないなんてさらに辛い。
(会えたら戻れなくなるから会えない方がよいのでしょうが。)
ダイジンはすずめの子として生まれることができず、要石として長年生きてやっとすずめと出会えたのにキライとか言われるし、なにやら諦めてヒト(神)バシラになるし、すずめは草太に対しては葛藤するのにダイジンに対しなんの感謝も言葉もなくて辛過ぎます。

多方面で辛すぎる映画でした。

上記違和感がなければ、ある意味ハッピーエンドであるため、以下の理由により楽しめると思います。
・先が読みにくい
・主人公は行動力と根性があって諦めないところが応援したくなるような魅力がある
 (イラっとする人もいるかも)
・映像にも迫力がある
なお

なお