じじ

すずめの戸締まりのじじのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

2024.04.22 14本目
力強い作品であった。作品の視聴にはとても注意が必要だ。
時の流れとは残酷なものである。震災から13年が経過した現在、ずっと忘れられない人、忘れかけている人、知らない人、様々いると思う。
当時、決して近い場所に居たわけではないが、記憶には強く残っている。あのアラームが、テレビの警戒音がとても不快で嫌なことばかり想像させる。
やりきれない怒りや悲しみはこれまで多くの表現者が伝承してきた。映像、音楽、文学、絵として。たまたま、新海誠は映画として残しただけであり、決して間違ってはいない。

「おはよう」「いってきます」は言えても「ただいま」「おかえり」が言えない人がどれだけいたことか。当たり前な日常がくることなどない。
「生きるか死ぬかなんて運次第」「綺麗?これが?」のセリフには背筋が凍る感じがした。

人間なんて弱い生き物だ。この映画は戸締りとあるが、決して記憶に蓋をして前を向こうだなんて無責任な綺麗ごとではないと考える。
全部背負って繋いでいくのだと。それが生きるということだと思う。
じじ

じじ