石戸

すずめの戸締まりの石戸のネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

すごく見応えがあった。ファンタジー展開の部分は特に意外性ないんだけど、人間の感情の扱いがすごく真摯でたくさん泣いた。境遇のせいで生も死も与えられるものだと思っていたすずめが誰かのために死にたいとか誰かと共に生きたいみたいな主体的な選択に出会うところがいい。特に泣いたのはおばさんがすずめに感情をぶつけた後謝ったり撤回したりするんじゃなくてそれだけじゃないとよ、全然それだけじゃないと、と伝えるところで、本当にこのセリフが誠実で真実すぎる。登場人物達の感情がミミズに強く向くことがなくてミミズや災害を取り巻く人間(や猫)それぞれに対してだけ揺れ動くのがファンタジー映画ながらもリアルな情景だと思った。ダイジンが人が死ぬ悲しさがまだわからなかったり好きな人に喜ばれるのが自分の存在価値に直結したり、自分が楽しく感じることが周りにとってもそうであると思うところは幼い子供そのもので、すずめが昔の自分にあなたはちゃんと大人になる、と言ったことと対比して大人になれないダイジンをすごく切なく感じて泣いた。あと芹澤はいいやつすぎる。映像も本当に美しかった。細かい部分ではすずめがスマホ一つで全ての支払いを済ませている身軽さに時代を感じて感動した笑
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