豚肉丸

私は逃亡者の豚肉丸のレビュー・感想・評価

私は逃亡者(1947年製作の映画)
4.1
ギャングのボスにハメられ冤罪を着せられた男が、脱獄して復讐を果たそうとするお話

まさに硬派な40年代のフィルム・ノワール映画という印象。
本作で印象的なのは不要な部分の過程を省き結果だけ見せる演出。それが最も光っているのが冒頭の脱獄場面で、主人公が入所してくる場面と同じショットを用いて日常の反復を描きながらも「脱獄した!」の一言だけで主人公が脱獄したことを表す演出が美しい。このような削減の演出がほかの場面でも顕著に見られるため、様々なサブプロットが同時に進行しながらもテンポ良く綺麗に感じられた。

なんと言っても素晴らしいのがラストの戦闘場面。一つだけ本当に最高としか言いようがないショットがあって痺れたし(『Time to Love』的な、印象的なキャンバスをデカデカと使ったショットがとにかく最高)、ベタな演出ではあるけども主人公が部屋に入ってくるまでの緊張感を醸し出すための時計の秒針も見事に効いていて良かった。
そして最後の締めのあのラストショット!凄すぎるな...
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