襟

夏へのトンネル、さよならの出口の襟のレビュー・感想・評価

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最近よく考えるのは長編アニメーションで最も難しいのは違和感を感じさせないことだということ
ここはリアルなのにここは非現実的で…といった誰もがわかる初歩的なところから映画的ウソの展開に至るまで、実写であれば誤魔化しが効く部分やTVアニメであれば気にならない部分が長編アニメーション映画になると途端に気になり集中力を欠く要因となりうる
この作品にはそれがない
まずそこが驚くべきポイントで、
全編にわたり画面を統一させながらも見せ場はきっちりあるということはそれほど毎カットに作品としてのこだわりを反映できているということ…なんて精巧な仕事…
もちろん短い尺がそこに良い影響をもたらしているのかもしれないが、それにしてもすごいスッキリしてる

日常にあるものの表現がかなり高レベル。
携帯、コップ、傘、ノート、、、普段見ているものの再現度が本当に高いし、アニメに昇華されているのが好き…

芝居もかなり自然で、作品に馴染んでいるのがすごく良い
感情移入してというよりは、傍観者としての感動なので、そこに強度を求めると物足りなくなる気持ちはわからなくない
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