ゆうさく

夏へのトンネル、さよならの出口のゆうさくのレビュー・感想・評価

4.5
比喩の使い方が優しいかつ易しく、映像効果の可視化が楽しい。
水族館のシーン、主人公は2カットで境界を超えて見せるし、幾度も挿入される飛行機雲は絵だからこそできる関係の変化の積み重ね方だ。
出色はやはり出逢い直しの駅のシーン。演出とは我慢することで結実するのだと、あのひまわりが映った瞬間に確信する。カット割と色彩とで開放感のあるショットに導く流れが素晴らしい。

メディアの映画でもあって、漫画、ガラケー、スマホと伝達手段が物語を牽引していく。メールが届く、届かない、読まれているか、いないかの緊張感を保つことでできるガラケーという装置は強い。
誰か今作と宇宙よりも遠い場所とのメールの扱いについて論じてほしい。
ゆうさく

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