いちご

生きる LIVINGのいちごのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
3.8
黒澤明監督の名作「生きる(1950)」をカズオ・イシグロ脚本、ビル・ナイ主演(本年度アカデミー賞主演男優賞ノミネート)でリメイク。

ビル・ナイ演じるウィリアムは役所の仕事を粛々とこなし淡々と毎日を過ごす老紳士。しかし死の宣告を受けた時から、そんな人生を思い直す。人の役に立つ為に生きた余生こそが本当の意味での「生きる」という事に気付く。その行動は周囲の意識も変えていく。

ビル・ナイのクラシカルなイギリスのファッション、佇まい、醸し出す雰囲気が堪らない。50年代のイギリスの街並みなども見ていて楽しい。

説教臭くなりそうなテーマを素晴らしい脚本と演技のお陰で素直に受け止められた。日々を擦り減らしながら生きる現代人に何かしら響く作品ではないかと思う。

@東宝試写室
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