黒澤明版の映画『生きる』は私の生涯ベストテンに入る大好きな作品で、鹿賀丈史版と市村正親版のミュージカル『生きる』も鑑賞済みです。
どんな作品でもリメーク版は往々にして失敗作に終わることが多いので、オリジナル版が大好きな私は本作品を鑑賞して落胆するのではないかと心配していましたが、杞憂に終りました。
敬愛するカズオ・イシグロ氏の脚本が素晴らしく、設定の細部に若干の違いがあるものの、大筋はオリジナルに忠実な展開で、それでいていかにもイギリスらしい風情があります。
自らの「死」期を悟って初めて「生」が蘇るという普遍的なテーマを扱っている作品なので、老若男女全ての人が楽しめる映画だと思います。
追記1:ぜひオリジナルの黒澤明版と見比べてみて下さい。
ただオリジナル版はセリフが聞き取りにくいのでDVDかBDで日本語字幕付きで鑑賞されることをおすすめします。
追記2:今秋(2023年9月)、新国立劇場にてミュージカル『生きる』を2回(ともに鹿賀丈史版)見に行き、2回ともボロ泣きしました。