みやこ

生きる LIVINGのみやこのネタバレレビュー・内容・結末

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

コロナ禍で巣篭もりをしている時にふと将来について考えたことがありました。
このまま大人になって何の意味もなく毎日を過ごして、そして死ぬのは退屈だなと。でも恐らく大半の人は毎日の生に意味を見出すことなく過ごし、そして平等に死が訪れる筈です。私がちょうど3年前に考えていたことの答えが、この作品にはつめられている気がします。
妻の死をきっかけに死んだ様に生きていた主人公が元部下に「生きることなく人生を終えたくない」「ただ母親の迎えを待つだけの子供ではいけない」と話すシーンには胸を打たれました。
遊び場で遊ぶ子供の例えは、死を待つ人間への比喩にも感じました。ただ死を待つだけの人間か、それとも迎えに来る時間までの時間を充実させるか。どちらが良いかなんてもう分かりきっています。時間の使い方はイコール命の使い方です。だからこそ主人公は変わったし、最期のその瞬間でさえ幸せそうだったのでしょう。
ちょうど社会人になるタイミングでこの作品に出会えてよかったです。どうか退屈な日々だったとしても、意味ある毎日に自分の手と意思で変えられる人間になりたい、そう思いました。
みやこ

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