ボギーパパ

生きる LIVINGのボギーパパのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.0
劇場2023-26 TCサクラマチ

言わずと知れた世界のクロサワ作品を、世界のイシグロが脚本の筆を取り、舞台を1950年台の英国に置くリメーク作品。

元作を見たのはもう何十年も前、、、ラストは泣けた、といったことくらいしか情けないけれど覚えいない、、、かなり好きだけど、
さて。

主人公・ウィリアム課長、元作は言わずと知れた志村喬の役
彼のあだ名はMr.zombie、日本名:昼行燈か、彼がそうなったのは妻の死が原因と思われる。元作とちょっと違ったか?
舞台は1953年か、戦後8年しか経っていない。これも元作と同じ。

このように基本的には、かなり元作をトレースした作り。
ただ、演じるのが西洋人になるとこうも印象が変わるのか!驚きの一言!さすがビル・ナイ!抑えた演技が素晴らしい!
元作のモノクローム感を、フィルム感、粒子荒い系の画面で表現。しかしこの画質も後半に行けば行くほどクリアになっていくような気がした。ウィリアムの決意と共に。

実は私、昨秋がんが発見され(ごく初期でしたが)手術したことから、今回この作品を見て、これまでと全く違う見え方がした。
正直国民の1/2ががんになるこの時代、誰にでもありうる話。(人間ドックは大切です。みなさん受診しましょう)
彼のように生きているだろうか?生きられるだろうか?何か残せるのだろうか!誰かの心に生き続けられるだろうか!
この視点のみ、、、、、、反省ばかりですね。

ウィリアム課長の「断固たる決意」は今の時代でも色褪せることなく伝わって来ました。
何度でも観たい、観なければならない作品に仕上がっていました。

ゴンドラの唄が頭の中を駆け巡っています。

ナナカマドの歌も良かった。なぜにスコットランド民謡というのは心に染み入るのであろうか、、、


本作、字幕では「課長」が多用されていた。
ここは元作に配慮したためなのか。Mr.ウィリアムってみんな言っていたのに(^^)
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