健一

生きる LIVINGの健一のレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.2
ビル内。  😅🏢



今年(2023年)開催されたアカデミー賞にて主演男優賞にノミネートされたビル・ナイ。
今回が初ノミネートなんですね!意外でした。
「ラブ・アクチュアリー」や「アバウト・タイム」などでノミネートされてもよかったのではと思いますが・・・
個人的にはこの役はマイケル・ガンボン(ダンブルドア校長)に演じてほしかったがビル・ナイもいい味だしてました。

黒澤明監督の不朽の名作。「生きる」をハリウッドではなく『紳士の国』イギリスでリメイクされました。
新解釈でとても『イギリス的』な作品に仕上がっていて好感が持てました。

オープニングはオリジナルの「生きる」というより 同じ黒澤明監督の「生きものの記録」のオープニングに似ていると感じたのは私だけでしょうか・・・
マイケル・ナイマンに似たような哀愁あふれる音楽と戦後間もない 慌ただしい雰囲気のイギリスの街並み。
この世界観に「生きる」が舞い降りてる。
もう終始大号泣な わたくしでした。😭😅

弾けるような若さいっぱいの部下の女性との幸せな時間。余命宣告を受けてからの『解放』と『職務』に向き合う まさに「生きる」日々。
そして葬式後の人々の気持ちの移り変わり。
オリジナル版の素晴らしき点を見事に復活させてくれていてその点では期待を裏切らない。

ただ・・・

オリジナル版の尺は143分。本作は102分。
この『41分』はかなり大きな障害になってしまったのでは?
オリジナル版で課長さんのお通夜に公園付近の住民のおばちゃん達が現れ 涙を流し鼻水をすすりながら遺影を拝むシーン や その後に同僚たちが弔いの酒を飲みながら生前の課長さんの『生きた姿』を討論するシーンなど。
私がオリジナル版で一番感動したシーン、号泣したシーンが本作ではかなり薄めに描かれていてちょっと肩透かし。
102分が鬼のように短く感じてしまった。


とは言え・・・

オリジナル版のスピリットは見事に継承されていて黒澤明監督へのリスペクトを びんびんに感じる静かな感動作に仕上がっているのは確か。

本作を劇場で見て感動しオリジナル版「生きる」をまだ見たことがない方は是非とも鑑賞して 見比べてみていただきたい。

『最期を知り、人生が輝く。』

それはきっと国籍なんて関係ない『命ある人間』の自然な思想であり行為なのだろう。
🇯🇵🇬🇧



2023年 4月3日 13:00〜
イオンシネマ板橋screen 1
💺156席
客入り 半分以上埋まってた。 😃

「生きない」。 😅

昔、たけし軍団のダンカン主演の作品で「生きない」という映画があった。
ストーリーは全く「生きる」とは関係なくパロディ版でもないのだが、このタイトルは間違いなくあの「生きる」を意識してる。😂
久しぶりに見たくなった。
健一

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