のんじ

生きる LIVINGののんじのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.2
 生きるという題名だけで、予備知識もなかったが、観終わり私なりに感動した。人生の終わりをどのように過ごすかということに真剣に考えさせられた。
 
 医師から癌の宣告を受けた主人公の言動の変化が周りを動かし小さな幸福感を抱いて、亡くなっていく。1950年代のイギリスの雰囲気(街並みやその当時の時代背景)が何となく、紳士的な街として感じられた。また、役所の市民課での中間管理職として主人公役のビル.ナイの演技力は素晴らしい。
 
 人生は終わりを迎える時に、過去を振り返って満足できたと思えることは少ないだろう。
 
 だけど人間は普段は考えることもしない毎日の生活の中で、いずれは誰もが迎えるであろう終焉を少しでも思うことにより、明日への取り組みが変わるような気がする。明日に延ばさず、今日出来ることはしておいた方がいいのかも知れない。過去から現在そして限りある未来に対しても…。
 
 ここまで私も多くの人に支えられて生きてこられたことにも気付かされて、映画館をあとにした。
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