黒澤版が「動」でこっちが「静」。
作品全体の静謐さはカズオ・イシグロの色が出たのか舞台設定がそう感じさせたのか。
朝、ちょっと良いコーヒーを飲みながら観たいと思わせるような爽やかさを感じました。
みんな品が良く、作品全体通してジェントルマンな雰囲気が漂っていました。
大きな起伏がなく淡々と進んでいった印象ですが、ビル・ナイの表情や佇まいにグイグイ引き込まれていって飽きることはありませんでした。紳士的で素敵です。
基本的に黒澤版を大きく捻じ曲げることなく綺麗に舞台を移し替えています。
リメイク版の味付けを薄口と捉えるか、ちょうど良いと捉えるかは好みが別れるところかもしれません。