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生きる LIVINGのMoviemovieのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.0
オールドファッションな映像が古き懐かしき時代を感じさせる
息子夫婦から理解されず、空虚な思いを抱えて毎日を生きる主人公が「生きる」とは何かを見出していく物語
こう生きなさい、というように教訓めいてはいないが、観客の中に確かに何かが残る作品だった
ビル・ナイの演技が素晴らしい
言ってしまえば地味な映画だったが、最近の映画では珍しく、結論を早く出そうとせず、ゆっくりと、人生そのもののように進んでいく映画の雰囲気が良かった
ロンドンの街並みや汽車の映像美は圧巻

黒澤明版で、主人公が病院から出た後に呆然と立ち尽くす様子を、どんどんとカメラが引いていき、目の前の道路を過ぎていく、車の喧騒に呑み込まれていくようなシーンがあり、そこは無くしてほしくなかったなと感じた。個人的にそのシーンこそ主人公の気持ちがまざまざと表れているように感じた
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