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生きる LIVINGのギャスのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
3.3
確かに地味だが、確実に自分たちの人生の意味を振り返ることになる映画。
ビルナイは長く老いた役をしてきているが、この真面目な老人の役は出色のハマり役だった。
クラシカルな音楽も美しく、風景も綺麗。

黒澤明の方はまだ見ていない。

ネタバレ
彼の人生の最期の時間が役所の同僚たちの目撃談などによってパズルのピースを埋めていくように浮かび上がってくる後半にやはり心を動かされる。
彼が雪の中で一人で亡くなった事に心を痛める息子に、「彼は自分の作った公園で幸せだったのだ」とピーターはきっと伝えることができただろう。

".他人のため"に何かに本気で取り組むことが自分の人生を生きることである人もいるだろうし、
"自分のため"に生きてこなかった人間が初めて自分の本当にやりたいことに取り組むのも生きるということ。
公園を作る事、その姿勢を見せる事、そんな生きる意味が見つけられた彼は幸せだ。
(しかし、ミスターゾンビだった長い時間が、公園ひとつでなかった事になるのかとも思ったり。ゾンビのままよりは絶対良いのだが)
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