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生きる LIVINGの010101010101010のレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
3.3
ピョンピョン跳ねるウサギに、うわぁ〜、出てきた〜!!と、妻と一緒に大興奮!!!笑

オリジナルがいかに「直接的」(時にショッキングなほど…)で、何度も何度も観客の心に訴えかけるように出来ているのかがよく分かる。逆にいえば、それは現代の感覚からすると、あまりに過剰ともいえる。
そういう意味では、こちらのリメイク版は、違った意味で、めちゃくちゃ丁寧に描かれている。

オリジナルとの違いが随所に。訴えかけ方も違う部分は少なくないのだが、こちらもこちらで味わい深い。
特に印象に残っているのは、マーガレットと二人で入ったパブのシーンかな。「ハッピーバースデー」は流れずとも、表情の変化の説得力だけで見せて(魅せて)しまうのは、大したもの。
息子とマーガレットの会話があるところも印象的。
そして託された手紙にあった、この公園自体もいずれ人がいなくなるかもしれないし、もしかしたら取り壊されるかもしれないけど……といった内容も、こころに残る。
絶望に苛まれることは、これからも何度だってあるかもしれない。いや、あるだろう。それでもなお……、というのは、オリジナル以上に強いメッセージとして響いてくる。(実際、今の時代、もはや手遅れなのでは……、とすら思えるような厳しい問題が、山のように顕在化している……。それでもなお……)。

これぞブリティッシュ!という雰囲気が味わえるのも、好きな人にはたまらないんじゃないかな。
ある意味、「ザ・英国紳士」っていう人たちって、言い方を換えれば「ザ・コンサバ(保守)!」ってことであって、(ゾンビとまでは言わずとも)、それこそシーラカンスみたいな、つまらない、時間の止まっちまった人たち……、って捉えられがちなところはあるのだろうと思う。特に今の時代。
でも本来、そんなつまらないものでもなかったんじゃなかろうか、という、「(まっとうな意味での)保守」とは何か、というところも見える映画だったんじゃないかと感じた次第です。