ぽち

生きる LIVINGのぽちのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
3.9
カレーは誰が作っても旨い、って作品。

黒澤明、橋本忍、小國英雄の創り出した素晴らしい脚本があり、絶頂期の脂ののりきった黒澤のお手本まである状態で、つまらなく作る事の方が難しいので、今作が素晴らしいのは当たり前。

よほどの失敗をしない限り名作となる運命の作品だろう。

ただ、キャスティングは言うこと無しの素晴らしさで、ビル・ナイの名演技はリメイクとしても納得できる最高水準。

ほとんど黒澤の元ネタ通りのストーリー、演出などだが、オリヴァー監督の黒沢に対するリスペクトが感じられ好感が持てる。

ラストに元よりもちょっと前向きな明るさを加えたのは「個性」として好意的にとることが出来る。

また、決して美人ではない前歯二本が印象的なウサギ顔のエイミーが良い演技をしていた。

個人的に究極の選択をすると・・・・
やっぱり志村の勝ちかな。というか、もうあのガラモンのような顔で「生きる」がインプットされているのでしょうがない。

でもビル・ナイも素晴らしいので、彼を見るだけでも見て損のない作品。




余談。
駄作にしようがないのだが、それでもハリウッドあたりだとやりかねない「よほどの失敗」は・・・

アイドルを使う
落としどころを大きく変える
監督のエゴで作品カラーがまったく違うものになる

とかかな。

まぁ、黒澤の偉大さは再認識できるから、これ系の駄作もアリかな。笑
ぽち

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