死を前にして、どれだけ誠実に自分の人生に向き合えるかの話。
死を間際に人生の成果の半分を手にして(全部じゃないところが主人公らしい)真新しいことをしようとて、残るのはゲロと虚しさだけで。残された人生、本気で生きようにも、知るのはつまらない官僚世界のみ。
手持ち札がどれだけつまらなくて、自分の力がどれだけ微力でも、人生最後の力を振り絞れば、歴史にまではいかずとも、一二世代くらいの思い出の場所は作れるはず。
(とはいえ、若い部下を引き留め、飲みに誘うシーンは、関係性がなければただのセクハラで、ちっと気まずかった)