KeitaKasamaki

生きる LIVINGのKeitaKasamakiのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.3
ビル・ナイの演技に深く引き込まれた。
抑制された演技の巧みさ。「ナナカマドの木」を歌うシーンは、2回とも涙腺崩壊。

ウィリアムズが公園作りに意気込んだ瞬間にカットが切り替わったのには驚いた。
突然結論が掲示され、それに対する振り返りがなされる技法。
この魅せ方が、この映画のよさを最大限に引き立たせているように感じた。
観ていないけれど黒澤明版も同じなのかな?
そうだとしたら流石だなぁと。

黒澤明原作、カズオ・イシグロ脚本。
雪降りきしる公園でウィリアムズが「ナナカマドの木」を歌唱するシーンを振り返る警察官のシーンなど、深く琴線に触れるシーンがいくつも散らばっていた。
ウェイクリングへの手紙はカズオ・イシグロの脚色らしい。

「最高の人生の見つけ方」なども同様のテーマを扱っていて、こちらのジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマンの演技も素晴らしいのだが、より地に足着いた着実さをビル・ナイには感じた。

ストーリーはザ・王道であり、こういう映画はビル・ナイのような本当に演技力の高い俳優が演じることで素晴らしさが増すなぁとつくづく思った。

あと何回か観返したい。
KeitaKasamaki

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