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生きる LIVINGのspicaのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.0
黒澤明のオリジナルの方を見たのは昔すぎて、ほとんど細部を覚えていない。
カズオ・イシグロ脚本、ビル・ナイ主演は素敵すぎると思った。
オープニングから古い映画っぽく見せてて良かった。ただビル・ナイが出てきた時、「あ、老けすぎてる」と思ってしまった。中年を越えてしまってる。仕方ないけど。志村喬も決して若いイメージではなかったが(今の感覚からはとても老けているが)、公務員なのだから50代ではないのか⁉︎
ま、でもだんだんそんなことはどうでも良くなってきた。
この映画の一番好きだったところは(オリジナルがどうだったのかは知らないが)、自分の生を賭け、成し遂げた業績は、自分だけで成り立つという考えだった。人から評価されなくても、手柄を横取りされても、今は喜ばれているが、いつか人々に忘れ去られる日が来ても、自分が成し遂げたことは自分が果たした時点で成功で、他からの評価は一切関係がないという考えが表されていたところがとても良かった。他人からの評価で自分の価値を知るみたいなことになりがちな現代。そうではないだろうと言われていたと思う。
「余命何ヶ月」と言われなくても、自分の生を活性化させて毎日を送りたいものだ。
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