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生きる LIVINGのEdieのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.5
ブラボ〜👏👏👏
(↑黒澤明のアカデミー賞名誉賞受賞の映像を観た影響)

黒澤明の名作、生きるのリメイク。

題材から、父の死を連想する為、オリジナルの鑑賞はずっと避けていたのですが、暗さが一切ない、予想を裏切るユーモア溢れる爽やかなストーリーでびっくりしました。(でもどうかな、それでも若い頃はきつかったかもです。)

余命半年と告げられた、役所で課長を務める主人公ウィリアムのお話。市民からの陳情書を流れ作業でたらい回しにし、何もせずファイリングしてやり過ごすウィリアムの日常から映画は始まります。お役所仕事はどこも同じなんですね笑 彼がどのような人物でどんな人生を送ってきたか、数分で分かるオープニング。映画の世界に引き込まれるのに時間はかかりませんでした。

人との距離感、丁寧な言葉遣いなど、国民性的に日本人との共通点が多いのか、舞台をイギリスに移しましたが、全く違和感なく見進められました。

私は40代、彼は50代、既に終活を考える年齢。死を宣告され最後に自分が納得できる生き方をしたい、今を生きたい、と奔走し、生きがいを見つけて尽力する姿は終始胸に迫るものがありました。

時系列で見せるのではなく、中盤突如ウィリアムが亡くなり、同僚の回想で振り返る構成も素晴らしい。一時はウィリアムの意思を継ぐ、と決意した同僚たちが、以前と変わらず仕事をこなす所もリアリティーがあってよかった。からの一番若い部下に宛てた手紙。ふぅ。あんな素敵なアドバイスをくれる上司がいたら最高ですね。

彼が英語字幕がないと日本映画を見れない為、リメイクの鑑賞が先になりましたが、よくできているだけに、彼も私もものすごくオリジナルが観たくなり、予告編を見たら、全く同じシーンがいくつも。かなりオリジナルに近いと分かり、益々観たくなりました。アマプラ、英語字幕をデフォルトにしてくれると嬉しいです。

鑑賞中も、鑑賞後も終始爽やかな気分。全ての方におすすめできる作品。

他の黒澤映画も見直したくなりました♪
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