こんなに、穏やかな気持ちで観ることの出来た映画は久しぶりだ。
あまり黒澤映画に詳しくはないのだが、原作の方も観てみたい。個人的には、小津の「東京物語」のような雰囲気を纏いつつ、英米風の皮肉が効いた作品だと思ったのだが、どうだろう。あまり起伏はなく、「今風」では決してない。しかし、何故か深く染み入り、気付けば見入っているような…
ウィリアムの身の上が僕自身と重なる点も、そのように感じたことに大きく関わるのだろう。僕はまだ、「始め」のウィリアム程とはいかないが、その二三歩前にある位だろうか。ウィリアム同様、「生きる」ことを考え、ほぼ同じ結論に至り、そして今や初めて社会人になり、仕事に忙殺(はややオーバーだが)され、「生きる」ことを忘れつつあった。
こればかりは仕方がないという他ない。
ただ、改めてこの身に喝を入れてくれたこの映画に感謝したい。
良い子の皆は定期検診を忘れずに!
それから、異常があったらなるはやで相談!!