けんけん3号

生きる LIVINGのけんけん3号のネタバレレビュー・内容・結末

生きる LIVING(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

オリジナルに続いてリメイクを鑑賞。オリジナルに忠実で、リスペクトを感じられるので好感を持てる。伝えたいテーマはぶれずに102分の尺に収めてるのも見事。オリジナルに比べると主人公の「生きている」感が鮮明に打ち出された印象。さらにピーターへの手紙のくだりが効果的!これにより作品の質がグッと上がったし、リメイクの意味もあったと思う。公園の建設を目的としたウィリアムの決意の強さ、行動力も、オリジナルより勝っていた気がする。ウィリアムに声をかけなかったことを悔やむお巡りさんにピーターがハッキリ説明をするのもいい。これにより、ブランコに揺られるウィリアムの表情、歌声は、紛れもなく喜びに満ちていると感じられるし、決意の強さ、生きることへの歓び、全てが繋がって、回収された気がする。これはカズオ・イシグロの脚本の素晴らしさだろう。マーガレットとのくだりもオリジナルよりスマート。ビル・ナイのジェントルな佇まいが素敵なのも作品に品を与えていると思う。個人的にはオリジナルに引けを取らない作品だと思う。