揚げ豆腐

DEATH DAYSの揚げ豆腐のレビュー・感想・評価

DEATH DAYS(2021年製作の映画)
3.8
森田剛主演のショートムービーをYouTubeで見れるなんて!!と期待しながら視聴。

誕生日と同じように生まれた瞬間から自分が死ぬ日が決まっている世界線で生きるひとりの男の話。
ただし決まっているといっても日付だけで、何年に死ぬかまではわからない。
だったらそのDeath Dayには何をするだろう。
家に閉じこもって友達とバンドをするかしないかで盛り上がってもいい。魔界村をプレイしてたっていい。恋人にプロポーズしようか悩んだっていい。結婚式を挙げたっていい。
生きていくことに大きな意味なんてないけど、今生きてるならこのまま生き続けたっていいじゃない。だっていつ死ぬのかは誰にもわからないんだから。

生きようよ!!という明るく眩い主張はないけれど、死の匂いが漂う中で「今日も死んでなくて おめでとう」という言葉がストンと心に入るいい映画だった。

やはり剛くんは仄暗くてダウナーな作品がよく似合う。人生に絶望する役が本当に上手い。

暗めの照明、不協和音の『月の光』や『結婚行進曲』、蕎麦に集るハエといった要素が死を予感させていて個人的にとてもよかった。(ハエが箸に止まったのは狙って撮ったわけではなく偶然映りこんだのだとか。自己主張するハエ最高)
台詞回しもどこか舞台調なのも好きなポイント。永久歯になろうよっていう変化球なプロポーズの言葉が印象的だった。

あまり関係ないけれど、何度自殺を繰り返しても既に決まっているDeath Dayにしか死ねないって設定を見てると、剛くん主演の舞台『FORTUNE』を不意に思い出したなぁ…

兎にも角にも、個人的には好きな作品でした。予定が合わず断念したけど、YouTubeで視聴するだけでなく映画館でも見たかったな〜!
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