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DEATH DAYSのmasatのレビュー・感想・評価

DEATH DAYS(2021年製作の映画)
2.8
ハリウッドが最も儲かった黄金の80年代、映画は音楽=MTVと結託し、(70年代に吹き荒れた作家性を追い出し)明るく多幸感に溢れる映画を山の様に創った。
その波が従属国日本にも訪れる。その結果、90年代、音楽PV上がりのクリエイターがバブルと結託し、映画を撮り出した。
映像や物語の連続性や運動がまるで無い、死屍累々たる映画と呼べないシロモノたち。サムライがフィクションとか、色々あった。
ダラダラ長くなったが、
そんな臭いが、本作にはあった。最初ヤバいなあ、と思ったが、、、
21世紀の輩は、なかなか賢い。

息苦しい世界を作ろう、自身の焦燥感を画にしよう、しかもチャーミングに!となかなか闊達なのだ。

来て欲しくない未来、
生きている意味がないミライ、
そりゃ、そうだ、一年タームでしか、物事を考えることができない世界なんて、
そこには何も見出せない。
まさに生きているのに“死の日々”、である。
そんな異様さは、ちゃんと伝わったから、ちゃんとしている人なのだろう、このクリエイター。

月の光、が漂う様に不気味で哀しい。

配信のオマケ「生まれる日々」が、気が効いていた。

森田剛は、とてもイイ役者です。『ヒメアノ〜ル』(16)の次にこの作品を選ぶ彼は粋である。
石橋静香は、悲劇が似合う、いや悲劇しか似合わない。
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