ハル

ある夜、彼女は明け方を想うのハルのレビュー・感想・評価

3.8
あくまで映画のスピンオフ何だけれど、思いの外ガッツリ前日譚と後日譚が語られていて面白かった。これは完全に映画とセットで見るべき作品となっていて、映画の内容を補完するために必須なレベルの物語。

自分には学生結婚をする感覚がよく分からない。
社会人になって経験する多くの事を知らぬまま、人生を過ごしていく覚悟をするのはどれだけ難しいことなんだろう。安心・安定よりそちらのほうが不安に感じてしまう。
だからあの年で結婚してしまった彼女の焦燥感や焦りは理解出来る。

一方で、夫(若葉竜也)が帰国後は元の関係に収束していく二人。
別れ際の喧嘩、転勤中一度もあちらに行ってなかった背景描写も含めてこの二人はもう破綻してる気がしたんだけどそうでもないのかな〜

そして、全て鑑賞後も彼女が肯定される事はない気がした。
結局は彼(北村匠海)を利用しただけに過ぎないし、同意の上とはいえ自分だけ安全地帯から恋愛を仕掛けるのはズルイとしか思えない。
旦那との関係、彼との関係どちらも自己保身的に動いていた彼女の狡猾さがあざとく映る。
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