ツクヨミ

骨のツクヨミのレビュー・感想・評価

(2021年製作の映画)
2.7
不気味で気持ち悪いのが魅力だがやっぱりサイレント期に製作されたという体が良かったストップモーション。
2023年話題"オオカミの家"のレオン&コシーニャ監督がアリ・アスター製作の下作った短編ということで気になって鑑賞してみた。
まずオープニング、美術館でたまたま発見されたサイレント映画でレオン&コシーニャ監督本人が修復したというメタい感じでスタート。そこからは音響があるがマジのサイレントでまあニコニコさせられた、小道具にクローズアップしたショットの応酬やジョルジュメリエスっぽいパッと消えたり現れたりするカッティングが楽しい楽しい。
まあ本作、ストーリーというものは特にない。謎の仮面少女が儀式によって人骨に命を吹き込むという禁じられた魔術遊び過程をただ眺めるのみ、そこに全編ストップモーションというクリエイティブさをぶち込み、おどろおどろしいスタイルを人形などの動きで見せていく。人骨の各部位をいろんな形に組み合わせ、終いには骨に肉をつけ異様な人間を形成させ遊びだす一種の子ども染みた怖さがそこにはある。
あとファンドフッテージという設定からか時折途切れる音響やノイズが全編を包む音響編集や、繋ぎをあまり意識せずショットのパワーを無理やり繋いだ感じが映画黎明期感があってまた良い。特にアイリスの使い方で、インアウトを使わずアイリスをずっと保持する編集なんかグリフィスの作品っぽさすらあった気がする。11分の短編の中にもしっかりオリジナリティを感じた良ストップモーションだった。
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