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エンパイア・オブ・ライトのowlマンのネタバレレビュー・内容・結末

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

1980年代イギリスの海辺の映画館『エンパイアシアター』で働く女性・ヒラリーと青年・スティーヴンとの友情と愛情を描きだす....

良いなぁ...こんな劇場で映画観てみたいなぁ。

1980年代の建物、音楽、上映されている映画、当時の映画館の匂いや音がしてきそうでした。

俳優陣が本当に素敵でした!!

傷付き夢を諦めざるおえないながら...明るく人を照らすスティーヴンにヒラリー、同僚、鳩、映画を観ていた私も暖かい気持ちになりました...それとは別に黒人差別があった時代の生きずらさや、理不尽な暴力の人の冷たさもあって...観ていて辛い場面もありました。

同僚で映写技師のノーマンの語った、フィルムのファイ現象は“命が宿った幻想”だって言葉は良かったなぁ...その“幻想”に癒され、力や夢を貰わせていただいているんだなぁ...

フィルムの明るく光があたる部分に、観客は夢や幻想を見ている、でも見えていないだけで、黒い部分も存在している...檀上でのスピーチはヒラリーなりの黒い部分へ光を当てたい一心だったのかも知れないけど...劇場に来た人は“光”の部分だけをみにきた人たちだけ...

ヒラリー自身は、『エンパイア劇場』の今は使われていない場所のような存在だったのかも知れない...心は閑散として、羽の折れた鳩がいる...そんな場所に彼が来てくれて、傷を癒してくれた...スティーヴンと会えたことによって“光”と“自分のフィルム”を見つける事ができたのかな?と思いました。

今は大体はシネコンで映画を観る機会が多いですが...
小さな頃は1、2作品しか上映しない小さな劇場で『ガメラ』を観につれて行って貰ったりしたなぁ...小さな劇場のスクリーンの中を暴れ回る“ガメラ”のカッコよさに目を輝かせていました!その時も映写機だったのかな?
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