バンバンビガロ

エンパイア・オブ・ライトのバンバンビガロのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
2.2
映画館を舞台にした映画なんだけどこの手の映画には珍しいくらい映画館に対する幻想がなくて、よく言えば過度に美化されてないということになるだろうし悪く言えばなぜ映画館を舞台にしたのか理解に苦しむ。
映画館をホテル代わりに利用したり、大事なプレミア公開を私怨で台無しにしたりするし、床にぶちまけられたポップコーンが何度も映されて、客にしてもクソな奴しかフォーカスされない。そもそも主人公二人は音楽のことは好きかもしれないが映画は全然好きそうではなくて、それで最後に一本映画見て感動したといわれたところでそれってどうなのという感じである。
映画館と映画、あるいは1980年代という時代設定にしても、なぜその題材を選んだのかという必然性が今一つ見えてこなくて、差別の描写にしてもその内容ならきちんと現代劇でやらないと有効な批判になりえないんじゃないのかという気がする。
主人公二人の恋愛関係については年齢差、人種、病気などのいくつかの軸が複雑に絡み合っていて非常に難しい。これは自分の中にこうした関係性を理解するための物差しがないという感じで、それぞれがお互いのどこをどう魅力に感じて自分たちの関係性をどう認識しているのかというようなニュアンスをつかむことができなかった。
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