Koshii

エンパイア・オブ・ライトのKoshiiのネタバレレビュー・内容・結末

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

《何かを、見出せるなら》

映画にも小説みたいに、大衆文学、純文学という無意味なジャンル分けがあるのかもしれない。
この「エンパイア オブ ライト」は物語の進行、ストーリー展開よりも、その描写一つ一つに芸術性を持たせているように感じた。
ただ私の読解力が乏しいだけかもしれないが、セリフの言い回し、比喩の仕方と、画の芸術性というよりは、そんな言葉のひっかかりがあった。
会話劇のようなものかもしれない。「人生とは、心の在り方だ」ヒラリーは過去の傷を癒しきれず、古傷のように心は疼く。誰にもその心を開くことはなかった。
そんな中、彼女はスティーブンと出会い、彼を赦すようになる。彼の心の傷や、過去は、断片的に描かれる。夢をあきらめてここで働き始めたこと、ヒラリーとの別れ、人種差別の暴動。

二人はやがて、二人の心に住むようになる。エンパイア劇場という大きな心も二人に安らぎをもたらした。ヒラリーの心が崩れる中、ソーシャルワーカーと警察官が彼女の家に押し入ろうとするシーンが印象的だった。
彼女の部屋は、そのまま彼女の心を表し、外部からの圧力を受けた。心の中にはスティーブンがいて、好きな音楽が大音量で流れていた。心の壁は破られた。受け入れがたい、外の光が、彼女の部屋に侵入した。
暗闇に照らす光は、必ずしも救いではない。スティーブンを失った。それは同時に、スティーブンの心の中の、ヒラリーが消えたことと同じだった。

心の闇を根絶することは不可能である。ただ、前向きに生きようとするスティーブンと、前を見つめようとするヒラリーにとっては、お互いはお互いにとっての光だった。

この映画のテーマは「旅立ち」。羽の折れた鳥。再スタートを決意したスティーブン。仲間に励まされたヒラリー。
エンパイア劇場はいつでも光を放ち、彼らの旅立ちを見守っている。



鑑賞中メモ

暗闇の中に光を見出す。

ファイ現象 命が宿る幻影さ
「トランザム7000」

「炎のランナー」
「高窓」
ピーターセラーズ
「ピンクパンサー2」

「人生とは、、、心の在り方だ。」
「恥は心をむしばむのよ」


根が切られない限り、心配無用です
庭ではすべてがうまくいく
「チャンス」より

「母に起きたことが、僕にも起こった。
将来、僕の子供にも起きるだろう。」


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