このレビューはネタバレを含みます
あまりに良かった。素晴らしい。
なんでアカデミーノミネートが撮影賞のみなのか、とても疑問。
人生の浮き沈みをここまで丁寧に切り取ってくれて、感謝。
主人公が映画を見る気持ちになる瞬間、最高。
幸と不幸が入り混じる人生の中では、どうしても不幸に心が引っ張られる時間が長くなるけど、その中で幸をちゃんと見つめようとする、その姿勢が大事なんだよなー。
ほんと、物を書く理由って、それが全てだわ。
サム・メンデスのカットって、キャッチーだけどなんか上品だよなー。
フックの付け方とか、クエスチョンの使い方とかも、誠実でいやらしくない。このバランス感覚。
物語の軸が定まってないとか、全ての要素が中途半端とか、そういう意見が批判の中には多いみたいだけど、
いや、それは全て意図的だと思うしそここそが素晴らしかったとこだろうと。そう受け取った自分の感性を大切にします。
現実の人生って、全てが白黒はっきりしないし、全てが定まらないし、全てが中途半端なまま進んでいっちゃうんだよね。まさに年輪を重ねていくだけなんだよね。
ある日は怒り狂っててある日は映画に感動する、そんな映画を撮ってくれて感謝です。本当に。