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エンパイア・オブ・ライトのひでGのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
3.7
1900本記念!
Filmarksユーザーさん、あるある(かな)
100本単位の作品って、少し拘って選んでたり、楽しんだりしてませんか?(僕はしてます!😅)
今回は、映画館鑑賞に拘って、ちょうどこれに当たったので、選びました、(ただ、今までの100本メモリー作に比べて、やや不満も残るのですが、それはまた後で)

1900メモリー、この映画がエンパイア座と言う映画館が舞台なので、映画館について少しだけ書いてみます。

これを観たのが、サンシャインシネマ、あそこのエスカレーターって気持ちも上がりますよね!
「これも観た!」「わあ、あの映画!」幸福な気分に浸れますね。

文芸坐、大塚名画座、渋谷全線座、懐かしい名画座たち、なんて、書き始めると止まらないので、また別の場所で、、

さて、サム・メンデス監督の話題作。
海辺のエンパイア座で働く人々はどこか訳あり気。
特に女性マネージャーのヒラリーは、劇場ではテキパキとお客さんの対応をしていくが、
帰ると、表情も変えずに部屋でひとり過ごす。寂しさを通り越して生きている正気さえ無い。

ある日、エンパイア劇場に、黒人のアルバイトとして、スティーブが現れる。
彼はエンパイア劇場を、そして、ヒラリーを変えて行く。

冒頭、出勤したヒラリーが劇場に灯りをつけていく。暗闇が人々の夢を運ぶ魔法の場所に変わっていく、素晴らしいオープニングだ。

ヒラリーがスティーブを案内した使われていない劇場の上階の描写も美しい。

ヒラリーとスティーブの関係、
スティーブを襲うとてつもなく残酷な出来事

壊れていくヒラリー、
エンパイアの行方、

場面のチカラ、美しさ
そして、なんと言ってもヒラリーを演じるオリヴィア・コールマンのとてつもない演技!

この映画は、一流のパーツを持っている。

でも、それが大きな線、波にはならない。

クライマックスも素晴らしい!
傷つき、また少しずつ歩み出したヒラリー
映画館で働きながら、一度も映画を観たことがないヒラリーか観た映画は、、、

このチョイスも素敵だし、キレイな上手い締め方だとは思う。 
あの映画、もう一度観たいな!

だけど、大きな波で覆ってはくれなかった。

オリヴィア・コールマンのラスト近くの、
瞬時に変化する感情をセリフ無しに見せる
最高級の演技を見るだけで、十分満たされるのですが、、、

僕もエンパイアで映画を観たかったな、、

どの映画を観る時も、あの暗闇が好きだ。
暗闇でひとりで座る映画館が好きだ。
これから、どんな人たちの、どんな冒険を
見せてくれるんだ、、いつもドキドキして
待つあのシートか好きだ。

どん底のヒラリーも、きっとあの映画を観ている時は、救われてきた一時を過ごしたはずだ。

次は、あの大監督の記憶の映画か、
それともマルチバーサスへ誘ってくれるくれるか、

さあ、2000本への道のうち、何本、あの暗闇での出逢えるか、、
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