エンパイア劇場の屋上にヒラリーとスティーブンがいて、ニューイヤーの花火が打ち上がるシーンがこの映画の最高潮でした。そこに至るまでの2人のいい感じになっていく様子や、静かな情感たっぷりの映像と音楽が素晴らしく、雰囲気を味わうだけでも高評価に値します。
後半は、ヒラリーの病を2人で克服する話と思いきや、人種差別と理不尽な暴力に晒されるスティーブンの苦悩の物語となっており、何を主題とするか些か焦点がぶれた感じもありましたが、2人の恋に障害があることは伝わってきたので十分かなと思いました。
海沿いという立地も、シアターの絢爛な内装も、今は使われていないシアター4も舞台装置として素晴らしく、こんな映画館に行ってみたい！と思わせる魅力がありました。
