miduki

エンパイア・オブ・ライトのmidukiのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
4.6
2023.03.05.
中洲大洋にて

映画を語る映画
バビロン、エンパイアオブライト、フェイブルマンズなど…
今年のアカデミー賞は、映画論についての作品が、例年より多くノミネートされてますね。
バビロンよりストーリーが丁寧で、フェイブルマンズよりも繊細。

○カメラワークがどこを撮っても綺麗だけど、冒頭の、ヒラリーの朝のルーティンが素敵
明かりをつける。ポップコーン・スナックのショーケースのライトをつけて。支配人の靴を温めるところで察した…

○ヒラリーの病状はどん底の場面だけど、支配人をこきおろすところは最高だった

○スティーブンの優しさ。靴下を切って、傷ついた鳥の翼を固定してあげる。

○チップスむしゃむしゃおじさん、ほんと嫌。あーいうひとほんと有害だし困るんだよね😮‍💨

○大晦日の夜の屋上のシーンはやっぱりいいね。紙コップにスパークリングワイン。
おろし立てのときに嘔吐してしまった靴は今は綺麗にして履いているスティーブン。

○劇場のロケーションが最高。海辺の映画館。今は使われてない3Fは鳥の棲家になっている。グランドピアノが一台。誰も手入れはしてないのに、美しい空間だった。花火を見る屋上も、みんなとわいわい語らうバックヤードも、映写室も、そして何よりシアター!
「ニューシネマパラダイス」のパラダイス座、「シェイプオブウォーター」のイライザの住まいの階下にある劇場が理想のシアターですが!これにエンパイア劇場も加えて、個人的3大理想の劇場!!

○1秒24コマで静止画を見せ続けると人間の脳は暗闇がわからない

○映画を見るよろこびを噛み締められる1本。
バビロンは時間経過が気になったけど、本作はうっとりと眺めているうちに時間が溶けていった。癒し。

○ちなみにバビロンも、本作も推し字幕担当、松浦美奈さまでした。ありがとうございました。


○薬剤師目線:
炭酸Liは気分安定薬、あとは躁傾向がある人に処方される薬。作品の頭から見ていてとてもおとなしそうに見える人だけど、躁の症状でるの?と思ってたら…
壊れてしまう前に、休みましょう。
miduki

miduki