Kaz66

エンパイア・オブ・ライトのKaz66のレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
4.5
とにかく“美しい”映画でした。
英国南部の静かな海辺の町、エンパイア劇場(4階ホール)、劇場を中心としたライティング…。
幾多のアカデミー撮影賞ノミネートと「ブレードランナー2049」「1917 命をかけた伝令」で2度のオスカー戴冠者となった撮影監督:ロジャー・ディーキンスの映し出す構図・アングルのワンカット/ワンカットが途轍もなく美しく、またそこに寄り添うトレント・レズナー/アッティカス・ロスの紡ぐ劇伴がこれまた美しい…。
主演は、「女王陛下のお気に入り」でオスカー女優となったオリヴィア・コールマンと2019年デビューの若き新星マイケル・ウォード。
脇を固めるのは、「英国王のスピーチ」の名優コリン・ファースや英国の名バイプレイヤー:トビー・ジョーンズら🇬🇧出身の俳優たち。
そんなスタッフ陣をまとめ上げるのは、映画初監督作品「アメリカン・ビューティー」でアカデミー監督賞を受賞。その後もアカデミー常連となった名匠サム・メンデス。

映画の内容としては、1980年代サッチャー政権下の英国、多様性と差異を認める“マルチカルチュラリズム”とイギリス人優先主義の“ナショナリズム”の対立が深刻化した中での、(行き場を無くした)40代女性と20代の黒人男性が“エンパイア”劇場で働く中で心通わせる…という話ですが、ストーリーの良さもさる事ながら、当時の音楽・ファッションや画の美しさに心奪われる作品でした。
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