映像は素晴らしいが作劇が稚拙。往年の駄目なフランス製戦争映画を思い出した。
当時記録された様々な映像と、スタジオでの映像を組み合わせた大火災の再現は素晴らしいし、前半30分くらいはデザスター映画としての興奮を感じさせるのだが・・・。
消防隊が出動してからは、内務省の宣伝映画ぽくなり興ざめしてくる。
でも観ていると、大統領や行政、大聖堂の危機管理体制をディスりまくっているよな。
とにかく作劇や編集が駄目で、再現映画としても、群像劇としても、とにかく劇映画として盛り上がらないし深まらない。
チョイチョイ熱い展開が芽生えるのだが、その期待をシレッと裏切ったり、その先に物語としての展開が無いし、登場人物たちを掘り下げる事も無い。
それに加えて、キャラクターのトンデモ無いポカや手際の悪さがハラハラドキドキに変わらず、只単に興ざめさせる。こういう所、往年の駄目なフランス戦争映画っぽいよな・・・。
不必要に尺を取ったり、必然性が感じられないシーンもあってテンポが悪いし、群像劇としても核になるキャラクターがいないので散漫だし、人間ドラマとしての深みも無い。
ジャン=ジャック・アノー・・・猫はどうなったんだよ、猫は?