たにたに

ノートルダム 炎の大聖堂のたにたにのレビュー・感想・評価

ノートルダム 炎の大聖堂(2022年製作の映画)
3.9
【願い】2023年35本目

主人公をあえて置かずに描き出し、ノートルダムとそこに保管される遺産を守り抜くすべての人が命をかけて立ち向かう。そして国民の想いが一つになって感動的な結末へと向かっていく。

パニック映画の良いとこどりをしたテンポの良い映像表現に加え、実際に燃え盛る聖堂の映像と、新たに撮られた大規模セットでの掛け合わせによって、緊迫感を持たせた見事なエンタメ作品に仕上げている。

野次馬の存在や、ノートルダムのことなど知らず自分のネコを助けてと通報するおばあさん、せまい道路に難儀する消防車、レンタルチャリが壊れてる、鍵の鍵の鍵を開けていくシビアなアナログセキュリティなど、映画的な盛り表現は気になりますが、それもまた現体制への見直しを揶揄しているかと捉えればメッセージ性は強い。

何が原因で火災が起きたのかは明確にはされないが、人間は関心のないことは意図も簡単に崩してしまうということがわかります。人間の無関心が最たる恐怖への落とし穴なのです。
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