touch

ティルのtouchのレビュー・感想・評価

ティル(2022年製作の映画)
3.7
"どこかで起きた問題も 全員の問題なのです"
* * *
試写にて
痛切なメッセージを背負う作品だった。
50年代アメリカであった「エメット・ティル殺害事件」を母親メイミーの視点で描く。
思わず目を背けたくなる凄惨な悲劇に塞ぎ込むでなく「為すべきこと」を信じて自分を奮い立たせた彼女の決断に心打たれる。
ダニエル・デッドワイラーの目力よ!
.
アメリカ南部の黒人差別の歴史を再認識する生々しいヘイト描写の数々…。
メイミーが法廷で証言するシーンでは、彼女をまるで罪人として吊し上げるかのような接し方で、白人側の差別意識のあり様をこれでもかと見せつけてくる。
息が詰まりそうな寄りのショットの圧迫感は『裁かるゝジャンヌ』を想起した。
touch

touch