『ラヴクラフトカントリー』などで最近取り上げられることが多かったエメット・ティル殺害事件。てっきりその場で殺されたと思い込んでいたけど、実際はそれ以上にむごかった…。あまりに残酷で思考停止したくなるところもあったけど、その悲惨さや残酷さの見せ方が演出として的確で映画としても優れている。
1年越しにようやく劇場公開したのを嬉しく思いつつも、本当は賞レースに合わせて公開するつもりだったんだろうなと思うと、この作品に対する現実の扱いが作中とリンクして二重に怒りが湧く。まさにエメットの母親が取った行動と同様に、世界が目を背けず向き合わなければいけない作品だというのに…特に主演女優賞にすらノミネートされず、『To Leslie』みたいな組織票がまかり通ってしまうのは、白人が都合が悪い事実に目を背けたいからとしか思えない。
この監督の前作も海外では評価高いのに日本ではさっぱり触れられていないし…(U-NEXTにあるみたいだけど観れていない)
