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ティルのnamのネタバレレビュー・内容・結末

ティル(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

苦しい。
ひどすぎる。
「南部では普通のこと」なんて
自分の子供だったら?
裁判所でもケラケラ笑って
平気で差別用語吐き捨てて
誰が見ても嘘の証言に
下手な芝居で付き合う弁護士。
これがほんとの話だったんだから。
しかもそんなに昔じゃない、割と最近の歴史。

BLMも世界的にムーブメントになり
アカデミー賞も差別問題を取り上げたもののノミネートも珍しくなく、日本でも芥川賞のノミネートになったり
世界は確実に変わってきてるし
寄り添いたい、寄り添わせて。と思っても
やっぱり人種が違えばわかり合えないの?
「黒人」「白人」「日本人」「男」「女」
「マイノリティ」その人じゃなきゃわかり合えないってことか?と、途中絶望した。
また振り出しに戻った。それを伝えたいのか?と。でも違った。
エンディングのタイトルバックでわかった。
ボーちゃんがリンチされ残虐に殺されたのが1955年、その後裁判でも犯人は不起訴、自分達が殺したことを雑誌の取材で暴露して金貰って悠々自適に暮らし、母親が亡くなったのは2003年。そして2022年にようやく彼の名が付いた「エメット・ティル反リンチ法」が成立。
母親の闘いあってのものだけど、彼らが生きてる間に報われることはなかった。
だから事実としてこんな事があったのだと、伝える為の映画だった。

撮影手法も挑戦している感じで
緊張感、焦燥感の演出がうまかった。
黄色が印象的だった。
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