『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』のレビューでも書いた2022年にアメリカで成立した【エメット・ティル反リンチ法】。
その法律の名前にもなっている14歳の少年
エメット・ティルの実在の事件を映画化。
制作、出演にウーピー・ゴールドバーグ。
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1955年シカゴで母と暮らす14歳のエメット・ティルは、親戚の住む南部のミシシッピ州へ遊びに
行く。
まだ黒人差別の強い町でエメットは白人女性に
話しかけ口笛を吹いた。
その事がきっかけでエメットはリンチされ
殺害されてしまう。
母親のメイミーは絶望と怒りを胸に理不尽な
社会に立ち向かい、ある行動をとる。
のちの公民権運動に大きな影響を与えた。
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少し前に『アメリカン・フィクション』で
黒人映画のステレオタイプについて考えさせられたけど、この作品はステレオタイプという事では
なく、実話ベースとして何年経っても何度でも
伝えていかないといけない作品。
たった1人の息子をリンチという形で殺害され
、その遺体を目にした母の気持ちを考えると
胸が張り裂けそうになる。
ただ悲しむ姿から闘う事を決意した瞬間、
表情から心情が伝わってきた。
この時代の話は何度見てもツラい。
叔父さん家族が、とても気の毒だった。
ふと思ったけど、この当時の南部の白人の本音や心理を描いた作品って無いのかな??
ちょっとどう言うつもりだったのか聞きたくなる。
特にこの事件の引き金となった白人女性
キャロリン(ヘイリー・ベネット)の
気持ちを聞きたい。
大好きなヘイリー・ベネットだけど
今作ばかりは嫌いになりそうだった。
凄い嫌な腹立つ顔する。
エンドロール前に、その後の行方が
文章で流れるけど、ため息ついちゃう。
辛く悲しいストーリーだけど
知っておくべき内容。