【未来のエメットを守るために】
気になっていたが劇場に行く機会がなかなかなくて…と思ったら、アマプラ見放題に入荷した。
エメット・ティル事件はよく知らなかったので、まずは学びになった。
14歳息子の残酷な末路を、“百聞は一見にしかず”で世に問うた母親の想いには、凄まじいものがあったことでしょう。それを演技の力でこう、感情から切り込むのはドキュメンタリーではなく、劇映画だからできることで、唸らされた。
“百聞は一見にしかず”のあとさきを描いただけで、本作には価値があると思う。劇映画の枠でいえばオチはないが、本作はそれでいい。黒人差別は終わっていないから。
人間は創造主による被創造物…との教えが広まる国では、この差別は永久に終わらないと思うけどね。それが無意識にでも刷り込まれているから、キリスト教徒も疑問なく、奴隷貿易ができていたわけだから。
何故、白人にあんな無慈悲なコトができる(←現在形にしとこ)のか不思議だが、神の前ではモノに過ぎないのだから、いくら壊しても問題ないのでしょう。そう、命に染まってしまっている。
本作でこう描いても、根本解決にはならないが、それでも言い、伝え、残し続けないと、未来を守れない。問題レベルは違いすぎるが、前使っていた映画サイトで、本作での白人みたいな輩に粘着された経験がある。黙っていると、勝手な言い分を流布するんだよね。すると、騙されちゃう人が出る危険がある。
ローザ・パークスさんがあのバスに座り続けた時、エメット君のことを考えていたそうだが、本作でそんな“続き”まで触れてもよかった気がする。
タイトルの“Till”は名前だが、“~まで”という意味。差別はここまでで終わらせよう、という願いが、自然と込められたように感じてしまった。
WIREDのこの、共同プロデューサーへのインタビューが、とても参考になりました。
https://wired.jp/article/till-keith-beauchamp-interview/
<2024.4.27記>