このレビューはネタバレを含みます
前半、様々な人物との対談の内容がほとんどわからん。加えてお前誰?話題になってんのも誰?な状態。けど不思議と緊張感があって集中して見れた。
徐々に大きくなる不協和音。
暗闇で彼女を侵食するのは、クリスタでもオルガでもなく、ベルリンフィルのマエストロにして権力者「リディア・ター」その人だったと思う。
ラストが圧巻だった。
東南アジアの地でも彼女は手を抜かず、作曲家の意図を汲もうとスコアに真摯に向き合う。緊張の表情も見せていた舞台がいざ幕を開けると‥
ゲームイベントでの指揮なんかーい!
‥と呆気にとられたけれど
ヒエラルキーのトップから転がり落ちた彼女だけど
実家でビデオを見て、原点に立ち返った彼女にとっては、音楽に階級などないのかも。
失ったものも大きいけれど、彼女は怪物「リディア・ター」から解放されたのだと思いたい。