このレビューはネタバレを含みます
階段転けシーン、痛すぎてヒッ…て声出た。
冒頭に出てくるクレジットのシーン、床に並べた(落とした)レコードを足で扱ってたり、指揮する時のステージ服を作ったりする流れていくような画、めちゃよかった〜!
しかし“アジアのちいさなオーケストラの客演”が復帰の第一歩なのがなかなか引っかかる所でした。でも船の上で『地獄の黙示録』が出てきてたのは、狙ってのことなのか?とも思いました。しかしその皮肉っぽい流れがあったとしてもやはり受け入れ難い…複雑!
あと、レズビアンでありながら、リディアのキャラクターがマッチしてなかった。そして、マイノリティである主人公が加害者となることを主とし、あのような描かれ方をされていたのが悲しかった。
あの退室してしまった学生のように、傷つけられたアーティストは過去も現在も沢山いるんだろうなとも思った。
主人公が潔癖で神経質という性格も相まって緊張感が走る場面が良かった。しかしどうしても上記のような節々に「うーん」となるところはありました。
“女性指揮者があることを境に転落する(そして狂気が孕まれている)”というあらすじに惹かれた分、上記の批判を感じてしまったことは正直な感想です!
しかし、リディアという人間を描いている作品として観るか、芸術や権力や倫理のパワー関係を描いている作品として観るかで、感じ方は違うのかも。
それにしてもケイト様の演技は最高!!!
狂いに蝕まれてゆく構成がとても好き!
あと『燃ゆる女の肖像』のノエミ・メルランさんまっっっじで好きだ。表情や醸し出す空気が最初から最後まで良すぎる。