ヒカル

TAR/ターのヒカルのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.0
賛否両論と思われる本作ですが、私は賛でした。

かなり寝不足で臨んで、地味そうな映画なので寝落ちして2点をつける予定でしたが、JOKER、ドライブ・マイ・カー、ドリームプランらと同様の緊張感を強いられて眠気は一切起こりませんでした。(長いこともありJOKER並みに疲れましたが。)

アカデミー賞主演女優賞でミシェル・ヨーよりケイト・ブランシェットがふさわしいと映画評論家達は言ってましたが、今回は特別にダブル受賞が正解だったかと思います。ミシェル・ヨーの後半の顔は最強でしたが、ケイト・ブランシェットはケチの付け所がない完璧な演技だったと思います。

音楽のジャンルとしてクラシックが4番目くらいに好きなので音楽マニアの会話劇やリハーサルのシーンなど楽しめました。クラシックに全く興味がない方にはオススメいたしません。好きな方は劇場向きだと思いますので劇場でどうぞ。(サントラは登場するクラシックの楽曲も入っているので聴き込んでからが◎です。)

以下は少しネタバレします。








・劇伴がJOKER,チェルノブイリのヒドゥル・グドナドッティルだったのですが、私の耳と記憶が正しければヒドゥルさん作曲の劇伴は通常の10分の1くらいの音量でサブリミナル効果的にしか殆ど使われてなかったです。TARさんが異常に音に敏感という演出が度々なされてたので仕方ないかもですが、ヒドゥル・グドナドッティルさんが怒ってないか心配です。(ヒドゥルさんはハンス・ジマー、Labyrinthの次に私は好きです)

・新規加入の女の子のチェロが上手すぎてビビりました。リハーサルのシーンで落涙したのは自分だげでは無いと思います。エルガーのCello Concertoをちゃんと通しで聞けなかったのが残念かつ、本作最大の残念ポイントです。

・リハーサル中のドイツ語の指示が字幕ナシばっかりでしたが何かの演出なのでしょうか?コレも結構なマイナスポイントでした。GAGAさん変なこだわりはやめて欲しいです。

・TARさんがバッハ、ベートーヴェンを称える様な講義をしていたのですが、自分はバッハ1位 ベートーヴェン2位と思ってるのでTARさん解ってるやん貧乏ゆすりの学生は出ていけ、としょうもない理由でTARさんに感情移入してしまい、後半の転落を見ているのがつらかったです。
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