TAR/ターのRikuのネタバレレビュー・内容・結末

最初のインタビュー、学生を詰めるシーン、カフェでの対話。長台詞の中に濃密な意志が詰め込まれていて正直追いきれなかった部分はあるけど、ターの人物像が十二分に描かれた。だからこそ社会とのコンフリクトもその後のストーリーものめり込んで観れる。いわゆるwokeな学生との議論は、自分に突きつけられている気もして、見終わった後も考え続けている。映像と音楽と、そしてなにより濃度の高い問いをぶつけてくれて、最高の映画体験だった。

あと時間を過ごす人が持っている資本や思想が、過ごし方の差異も含めて居室の美術をつうじて表現されているのがとても印象的で、プライベートな室内のシーンはずっとよかった。