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TAR/ターのSのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
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男性だった脚本を女性にしたことによって、ジェンダー関係なく権威を手にした者の末路や、周囲の変異など、非常に現代真っ只中の作品だった。ケイト・ブランシェットがとにかく格好よく、音楽読解や指揮の哲学を心身に落とし込んで演じているのが凄まじい。
余談だが、この日あった人が「あした明治座で歌舞伎を見る」と言っていて、そしてまさしくその回の直前にあの事件が起きてしまったのであった。キャンセルカルチャー云々の前に、圧倒的に対等でない環境の中での振る舞いに、人間の本質が出るのだと改めて思わされるここ数日である。
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