Kawaguchi

TAR/ターのKawaguchiのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.8
権力とキャンセルカルチャーの話であり、
エゴに塗(まみ)れたターが、セルフ・プロデュースのコントロールを失っていく贋物の神の物語。

しかし、失ってやっと気付いたのです。

今まで自分が崇高な芸術だと思って演奏していたものは、ターが後半経験したフィリピンの売春同様、一瞬の快楽の提供に過ぎなかったと。

そして、自らが「芸術」という大きな大きな河の、ひと雫だと言うことを気づくのです。
TarとはArtのアナグラム。

ラストは、エゴを捨て、
永遠なる芸術の神への奉仕、そして再生。
ターは間違いなく救われた。
Kawaguchi

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