HIGHINLET

TAR/ターのHIGHINLETのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.4
凛として高貴な佇まいの
ケイト・ブランシェットが精神的にまいって
徐々に顔に陰りが見える演技は繊細で、この上ない。

ただ、およそ2時間半も見たのに全く内容は分からなかった。
突き放された感。
もっと注意深く感情や言葉を汲み取れば分かるのかもしれない。

口には出さないが性的マイノリティへの訝しげな胸中や、
パワハラやセクハラを被害を訴える者の
悪質なSNSでの切り取り、
才能がある者への妬みなどに
耐えられなかった彼女の没落人生を
ゆっくりと描いていたように思われる。

才能があれば、どこでもやっていれるとも取れるラストだが、
自分が本来やりたかったことではないことのようにも見える。
でも、柔軟に合わせて覚悟を決めたようにも。

東南アジアのコンサートで、
モンハンみたいなコスプレした観客の前で、
どんな気持ちだったのだろう。

「人マネに栄光はない」
「歓喜の声よ ポルノ俳優の喘ぎ声じゃない」
「地獄に落ちろ アパート売り出し中」
「マイスコア!」
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