【権力】2023年51本目
何かに縛られ、押さえつけられている感覚。
リディア・ターが自身の"権力"を利用して獲得してきたのは功績と名誉にとどまらず、セクシュアリティ面にまで反映され、彼女に関わる多くの人間たちはそれによって苦痛を得た。
ターの権力は、自身のコントロール機能も崩壊させ、幻聴を伴って身体への影響も出てくる始末。さらに、搾取することへの嫌悪感を膨張させていく。
未だ拭えない男性社会への反抗。
欲しいものは自力で手に入れてきた彼女だからこその、自己肯定感の暴走。
不穏な空気感で進む物語に一瞬たりとも目を離せなかったが、非常に想像力が必要な難しい内容でした。
ラストの演出に関しては、様々な受け取り方ができるようです。
が、私はリスタートという意味で受け取りました。
〜賞とか地位とか、そんなのはその一瞬の輝きであって、それに驕り高ぶらず生きる人間であることが大切なのかもしれません。